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会社の未来を考える
「廻(めぐ)るビジョン」プロジェクト:
対話を通じて描く、当社の未来
当社は、2025年に、会社の未来を考える「廻るビジョン」プロジェクトを始動。全社員に向けて、新たに策定した企業理念(スローガン・ミッション・ビジョンなど)の浸透を図ろうとしています。当社は今、どう変わろうとしているのか? デザイナーの立場から本プロジェクトに関わってきた二人の社員が、その思いを語り合いました。
K.S
デジタル推進部 デジタルビジネスG デザインチーム
2019年入社
制作会社2社にて、グラフィックデザインやUI/UXデザインの業務に従事。その後、社会的意義のある仕事を求めて転職活動を行い、当社初のデザイナーとして入社。入社後はデザインチームを立ち上げ、デザイン思考の浸透から制作環境の準備、若手の育成を進めながらUI案件を推進。現在はサービスのUXからビジネス変革のUX領域に拡大中。チームとしても、若手の育成やキャリア採用により業務の拡大を続けている。
A.W
デジタル推進部 デジタルビジネスG デザインチーム
2022年入社
Web制作会社でWebディレクション、ネット銀行でUXデザインの経験を経て、会社の成長と自身の成長がともに歩んでいける仕事に携わりたいと考え、転職活動を行う。新たなデザインチームの組成や、デザイン思考の浸透・教育に挑戦できる点に魅力を感じて、当社へ入社。入社1年目はシステムのUI/UXデザインに、2年目はデザインの浸透のための活動に、3年目以降は当社の理念策定と浸透に向けたエンゲージメント・コミュニケーションデザインに取り組んでいる。
※所属は取材当時のものです
新たなビジョンを掲げ、当社の未来を拓く
2025年、当社で会社の未来を社員自らが考えるためのひとつのプロジェクトがスタートしました。プロジェクトメンバーの意志を集約しビジョンを形にしていく推進役を担ったのは、デザインチームの2人の社員。本プロジェクト発足の背景やその狙いをご紹介します。
2024年の夏頃かな。一部の社員に向けて「ビジョンデザイン」のワークショップをデザインチームで実施したんですよ。あれが「会社の未来を考える」プロジェクトに関わる最初のきっかけだったのかな、と。
そうそう。ちょうどその頃私が会社から支援をいただいて、美術大学の社会人コースに学びに行ったんですよね。そこで学んできた「企業ビジョンのデザイン」をワークショップにして実施して。それからその学びの内容を経営層にも報告したのですが、会社としても「当社の未来を考える上では、新たなビジョンを掲げる必要がある」という共通する意識があった。
「会社の思い」と「私たち2人の思い」が一致したことが、プロジェクトの出発点だったと言えるかもしれません。これからの当社が新しい技術や開発プロセスの知見を取り入れ、信託ビジネスの新たな価値を創造していくためには、明確なビジョンと方向性が必要だと感じました。
デザインの領域という面でいうと、例えばアプリケーションの画面デザインなどとは違って、普段私たちがそう多くはやらない領域だったので、すごく新鮮であり挑戦的なプロジェクトでしたよね。会社の根幹に関わるものですし、とてもやりがいを感じました。
確かにやりがいがありました。進め方を二人で相談して決めて、プロジェクトメンバーに説明して…。
プロジェクトのコンセプトは「廻(めぐ)るビジョン」。10年後もその先も、私たち以外の後進たちが次のビジョンを策定できるようにするという、プロジェクト自体の目標をメンバーに納得いただいて。そこから全体のロードマップを策定し、理念体系づくりに向けて、まずはメンバーと当社の歴史から振り返りました。

見えてきた当社の姿のもとに、理念体系へ
社員みんなが会社の未来を考えるようにするためには、理念体系を構築する必要がある。その考えのもと、幅広い部署のマネジメント層7名のメンバーが一堂に会し、当社の理念を引き出すワークショップ(通称Vision Valley)を実施。そこから見えてきた当社の姿に迫ります。
当社の歴史を振り返る中で、会社に元々ある強みや魅力、マインドを引き出して言語化していく──私たちはそのプロセスを支援する推進役でした。私たちが問いを考え、それに答えるのはマネジメント層のメンバーの皆さん。私たちはそのための準備やワークショップの設計を担いました。
あまり時が経ってないのにもはや懐かしい(笑)Vision Valleyのワークショップでは当日実施前に事前課題を提示し、それに基づいて7名のメンバーの考えを引き出し、集約していきました。当日はその内容について議論と深掘りしていただく感じで。全部で4回近く実施しましたかね。加えて一人ひとりに個別にインタビューなどもしながら、意見を抽出・整理、そして理念の言語化と体系化し、形にしていきました。
その過程で、私たちも捉えきれていなかった当社の強みやすごみ、根付いてる価値観などが見えてきたよね。
うんうん、本当にすごいものを守っているんだなと驚きました。例えば、日本の総資産の約3分の1にあたる数百兆円という規模の資産を取扱うシステムの担当部署があったり。桁が大きすぎて逆にイメージが難しいのですけど、当社は間違いなく日本の金融経済を支える大きな存在なのだなと。私の中で、そうした“すごさ”を、一つの見える形にして、「社員の皆さんに実感し誇りにしてもらいたい、そしてその誇りを未来への糧にしてほしい」という想いが自然に湧き上がりました。
本当にそうだよね。当社の過去を振り返って、今の当社のマインドが形成されるまでの変遷をたどる中で、「安心・安全なインフラとしてシステムを絶対に止めないこと」を第一に、これまで並外れた努力を重ねてきたという矜持が見え感銘を受けました。また、信託事業の関係図を可視化した際も、改めてその守備領域の広さに目を見張りました。そして、これまで守ってきたこの“すごさ”に、これからは挑戦の意志をプラスして、未来へつなげていきたいという思いが強まりました。

会社全体で理念を体現し続ける文化・環境を醸成する
現在は、ワークショップを経てつくりあげた理念体系を全社員に浸透させていくフェーズに取り組んでいる最中。今後の「廻るビジョン」プロジェクト第二段階、浸透戦略(通称Vision Bloom)について語っていただきました。
現在は、社内報のデジタル配信を活用し、理念体系を構成するスローガン・ミッション・ビジョンなどを、社員の皆さんに一つひとつ丁寧に公開しています。そこでは、メンバーに取材した、理念体系づくりの振り返りや、スローガン・ミッション、ビジョンにまつわる対談や座談会なども盛り込んでいます。
公開時に意識しているのは、「理念体系は社員全員が築いてきた当社の姿から生まれたものだ」と感じてもらうこと。一方的に押し付けられたものでは、納得感も浸透も得られませんからね。
ビジョンの谷で見つかった種(理念)が社員一人ひとりのなかで花開くように、理念は社員自らが語れるものでないと、浸透しないと思っています。ですから、当社の理念体系は、社員のみなさんがこれまでやってきたことを大切に取り扱い、またそれを讃えてもいます。より多くの社員のみなさんへの浸透を目指し将来的には、社員全員の拠り所となる当社のオリジナルな「カルチャーデック(※)」を作成・配布する構想です。
カルチャーデックは、理念を“自分ごと”として理解してもらうためのものです。例えば、定期的な上長との面談時にカルチャーデックを活用してもうらことや、人事部と連携して会社全体への情報発信機会を模索しながら理念を日常的に意識できる環境をつくり、今の仕事の誇りを再認識できるような土壌をつくりたいと考えています。
理念浸透のキーワードは「対話」です。当社の社員は落ち着いていて、思いを言葉にする機会は多くありませんが、私は、その内には静かな情熱と強い意志を秘めていると感じています。「対話」を通じて、その情熱を引き出し、新しい会社の雰囲気づくりや社員のみなさんの自己表現のきっかけにしたいなと思っています。
※カルチャーデック:企業が掲げる理念や価値観、文化などを言語やイラストでまとめた資料

会社を変革し、より良い未来を実現する
全社員への理念浸透が、当社にもたらすものとは? 本プロジェクトを通して実現したい当社の未来に迫ります。
「廻るビジョン」プロジェクトに、明確なゴールイメージはまだありません。しかし、例えば、「上長と社員の面談時にカルチャーデックを活用して、これまでの自分の行動を振り返ることで、それが二者にとっての共通言語となりますし、その人たちの成長にもつながる」___そんなシーンが自然に根付くようになれば理想的だと考えています。
そうですね。でも、全社員への理念体系の浸透は、カルチャーデックが配布されてからが本番です。これから理念を伝えながら、社員の声を丁寧に汲み取っていきたいですね。これまでは少人数で進めていきましたが、今後はより多くの社員を巻き込んで進めていく必要があると思います。
私は「廻るビジョン」プロジェクトを通して、社員自らが会社の未来を考えることを、壮大な従業員体験デザインだと捉えています。そして、この理念体系の浸透を通して、社員一人ひとりの仕事に対する誇りや未来への方向性が明確になることで、社員のみなさんのモチベーションや会社とのエンゲージメントが高まることを期待しています。
そうありたいですね。当社の社員は皆、内に情熱を秘めています。だからこそ、理念体系のもとでその情熱を日々の仕事に生かしていけば、会社全体をより良い方向へ変革していけるはずです。その実現に向けて、今後も共にプロジェクトに取り組んでいきましょう!
