全ての決済業務を
支える技術。
当たり前の日常は、どのような技術によって支えられているのか。そんな興味に突き動かされて、大学時代に自分もよく利用していた音声認識サービスのアルゴリズムについて研究していました。卒業後も、身近なサービスに携われる仕事がしたい。通信や金融といったインフラ業界を中心に見ている中で、心惹かれたのが三菱UFJトラストシステムです。証券、年金、不動産といった幅広いサービスを通じて、人生の様々な節目に寄り添う。そうした信託銀行の業務を技術でサポートできるのは、私にとって非常に魅力的でした。実際に入社してからは、信託銀行の決済業務を支える基盤システムの保守に携わることができています。しかし、このシステムが担う責任はとても大きく、プログラミングの「0(ゼロ)」を「O(オー)」と間違えただけで、決済端末が停止してしまいます。そのため私たちは、どのような些細な仕様変更でも、三人一組のトリプルチェック体制で進めます。また、既存のマニュアル業務に対しても、マニュアルに頼りきることなく、ミスのリスクを最小限に抑えられる手順が他にないかと意見を出し合っています。障害を未然に防ぐという使命のもと、試行錯誤を重ねる毎日です。
自分もチームの
力になりたい。
しかし、どれほど厳重な対策を講じていても、ヒューマンエラーは発生してしまう。だからこそ、障害が起こったとき、いかに素早く復旧できるかに、私たちの真価が問われます。そう実感したのは、私がこの部に配属されて間もないある日のこと。いつものように作業をしていると、突然、オフィスが騒然となりました。あちこちに座っていた先輩たちが慌ただしく立ち上がり、会議室のホワイトボードに駆け寄っていく。「XXシステムが停止した」、誰かが発した一言に、ただ事ではないと直感しました。先輩たちが原因の究明を急ぐ中、資料のコピー、依頼書の作成など、自分ができることは全てやりました。後になって分かったシステム停止の原因は、アプリケーションの動作エラー。私たちが携わる基盤システムで、もっと早くエラーを検知できていれば停止することはなかったかもしれない。自分たちの責任を感じずにはいられませんでした。その後、私が任されたのは、基盤システムにおける夜間処理の改修。無駄な処理を削減し、検知までのスピードを上げるという任務です。まだIT知識も浅く、専門用語の意味さえ分からなかった当時。けれど、自分もチームの力になりたい。その一心で、過去の障害事例をひたすら読み漁りました。障害が起こる原因とは?エラーが起きやすい状況とは?粘り強く調査を続け、様々な仮説を検証。一連の開発フローを一人で担当するのは初めてでしたが、持てる力の全てを注いで、無事改修をやり遂げられました。
品川オフィスの21時。
それから2年ほどの月日が経ち、現在はシステムの要件定義からテストフェーズまで、自信を持って遂行できるようになりました。さらに、新人でも理解できるような障害対応マニュアルを、主体となって作成しています。そんな私が密かに達成感を味わう瞬間があります。それは、数ヶ月に一度訪れる夜勤の日。システムの移行作業に立ち会う日です。ひっそりと静まり返った21時のオフィスに出勤し、移行作業を開始する。照らし出されたモニター画面に、数字やコードがリアルタイムで流れていく。その様子を注意深く見守りながら、最後に「システムは正常に稼働しています」という完了の合図が表示されたとき。いつも通りの一日を、自らの手で守ることができたという達成感が、私の心を満たしてくれるのです。責任の大きな役目に、プレッシャーを感じることもあります。けれどそれ以上に、当たり前の日常を支えるという、この仕事への誇りがある。今後の目標は、技術力をもっと高めて、さらに大規模な基盤システムに携わること。変わらない日々を守るために、私は変わり続けていきたいと思います。
休日の過ごし方
ゴルフのレッスンに通っています。今はまだショートコースで練習中。いつかは本番コースで、120くらいのスコアを出してみたいです。学生時代は茶道部で、スポーツとは無縁でした。休日を利用して、新しい趣味を見つけられたのは嬉しいですね。