開発担当から
マネジメントへ。
転機は突然訪れた。
“金融×IT”への可能性を感じて新卒で入社し、気づけば約20年。現在、証券代行グループのグループマネージャとして、開発チームのマネジメントを行っています。担当しているのは、上場企業や株主が使用するインターネット議決権行使システムとバーチャル株主総会システム。議案に対して株主がインターネットで投票する「議決権行使」や、株主総会をライブ配信し、質疑応答をweb上で完結させるシステムです。どうすればより安定したシステム稼働を実現できるか、どのような機能を追加すれば使いやすくなるか。チームのメンバーとともに、画面の先にいる数千万人のユーザーのことを考えながら、模索する毎日を送っています。
今はマネジメント業務が中心ですが、キャリアの前半は、開発担当として自分で手を動かして設計書の作成やプログラミングを行っていました。転機となったのは、2017年のこと。いつものように画面に向かって作業をしていると、上司から突然声を掛けられたのです。「次のプロジェクト、リーダーをやってくれないか?」打診されたのは、その頃始まった新ビジネス創出プロジェクトのプロジェクトリーダーでした。
技術は無くても、
想いがあった。
当時はFinTechやブロックチェーンといった言葉が認知され始めた時期。三菱UFJ信託銀行と三菱UFJトラストシステムが共同で、新技術を活用したビジネスを生み出そうとしていました。あまり深く考えずに「やります!」と答えたものの、リーダーとしての経験はほぼゼロ。その上、会社としても新たな試みのため、開発メンバーの中に専門家と呼べる人もいませんでした。
そんな状態で開発に挑んだのは、ブロックチェーンを活用して、信託銀行で暗号資産取引を行うための新システム。そもそもブロックチェーンとは何なのか?を学ぶところからのスタートとなりました。仕組みを理解できても、システムにどう実装するのか。壁にぶつかり続ける日々でしたが、拠り所となったのは、開発メンバーと信託銀行の「まだ世の中にないものをつくろう」という想いでした。暗中模索の中、全員がもがきながら、前へ進もうとしている。最初にアサインしてくれた上司も、開発チームには直接参加していないにも関わらず、常に動向を気にかけて、毎日アドバイスをしてくれました。
成長するほど、
仕事は面白くなる。
全員にとって初めての挑戦。リーダーの自分が経験不足を言い訳にしてはいけない。そう考え、ひたすら動きました。社内の研究専門チームのもとへ通い、新たな技術を学んでチームに展開したり、三菱UFJ信託銀行の顧問弁護士に法的な観点での相談を重ねたり…。当時はただがむしゃらで、正直、マネジメントとしては十分ではなかったと思います。しかし、全員の力で少しずつプロジェクトは前へ進み、約2年かけて開発に成功。胸の奥に初めて自信が湧いた感覚を覚えています。
その後、経験を重ねながら、自信は確かなものになっていきました。ただ、それでも、システム開発には不測の事態がつきものです。テストをどれだけ重ねても、予期せぬ不具合は発生します。「こうすれば絶対大丈夫」という正解がない。大変で難しい仕事だと常々感じますが、今はそれが面白くもあるのです。なぜなら、先の読めない日々の中でこそ、自分も、チームも強くなっていくと知ったから。かつてのプロジェクトで得たその手応えを、今のチームの若手にも味わってもらいたいのです。そのために、グループマネージャとして何ができるか。自分なりの答えを探し続けていきます。
休日の過ごし方
家族と過ごす時間を大切にしています。子ども2人と一緒に料理をしたり、プロ野球やラグビー観戦に出かけたり。基本的には土日が休みなので、予定も立てやすいですね。開発の都合上、たまに土日に出社することもありますが、その際は休日を平日に振り替えて必ず休みを取っています。